安全・快適・おしゃれさを大切にしつつ、
階段をリフォーム！

ご自宅の階段にご不満はありませんか？

狭い、勾配が急で怖い、薄暗い、などなど。

今回のコラムでご紹介するのは、自分でできるちょっとしたDIYリフォームから、安全性を重視したプロに頼むべきリフォーム。そして同時に取り入れたい収納やインテリアなどの小技まで一挙公開！　このコラムを読んでいただければ、階段にまつわる悩み事がきっと解決するはずです。

お家の階段について、ちょっと考えて頂ける時間になれば幸いです！

階段のリフォームをDIY！

ちょっとしたリフォームであれば、費用を抑えてDIYに挑戦してみるのはいかがでしょう。上張りや塗装で雰囲気を変えるもよし、滑り止めを付けて安全性をアップしてもよし、痒い所に手が届くのがDIYの特徴です。ただし、階段のDIYは足場が悪いので、最新の注意をしながら作業に当たってくださいね！

階段の各部名称

DIYをする上で階段の各部名称を知っていれば、分からない事があった時に調べたり、聞いたりしやすくなります。一覧にしてまとめましたので、ご参考にどうぞ。

DIYその１：マスキングシールやマスキングシートを使う

お手軽な方法としては、マスキングシール等を使う方法です。足で踏む床板の部分は破れてしまう可能性がありますが、蹴込み板の部分であれば問題ありません。費用もかなり抑えつつ、雰囲気をガラッと変えることが可能です。シールなので、張り直しがお手軽なのもポイント。既存の階段デザインに飽きてきた方は、挑戦されてみてはいかがでしょうか。

DIYその２：滑り止めシールを貼る

階段の傾斜が急であったり、床がツルツル滑る場合は、滑り止めシール貼り付けをDIYしてみましょう。滑り止めはホームセンターやネットショッピングなどで購入することが可能です。角の部分に張り付けるだけというお手軽さが魅力ですが、効果は十分発揮してくれます。工具も不要なので、DIY初心者の方にも安心です。スリッパを履いていて滑りそうになったことがある方、ご家族に高齢者やお子さんがいらっしゃる方は、ぜひ検討されてみて下さいね！

DIYその３：上張りをDIYで貼り替えてみる

もっと本格的に階段をおしゃれにしたい方は、上張りの交換を検討してみてはいかがでしょうか。工具などが必要になりますので、DIYとしては上級者向けとなります。階段の踏み心地を柔らかくする、クッションフロアタイプへの張り替えなども可能です。

階段の上張りとは、踏板や鼻段、蹴込み板に貼られた化粧板などのことです。

↓この部分です。

 

手順は下記の通りです。

１．階段に古い上張り（化粧板やカーペット）が張られている場合は、剥がしてしまう。

２．剥がした後にボンドの跡が残り凸凹になっている場合は、ヘラやヤスリを使ってできるだけ平面にする。

３．ホームセンターなどで購入した化粧板や、クッションフロアを寸法に合わせて切断。

４．階段のちりやほこりを綺麗に取り除き、速乾性ボンドなどを使用して階段へ張り付けていく。

５．階段の角、鼻段などで継ぎ目が目立つようであれば、滑り止めなどを取り付けて隠す。

化粧板の貼り換えはヘラやローラー、スクレーパーなどがあると効率よく作業ができますよ。

今回ご紹介したDIYであれば、作業の途中でも階段を使えます。仮に化粧板を外した状態でも上り下りできますので、生活への負担が少なくすみます。もちろんどんなDIYでもキレイに仕上げるためには技術が必要ですが、やり直しができるのもDIYの特徴。何度も挑戦し、腕を磨いてくださいね！　一度上手にできるようになれば、模様替えをしたいときに同じ要領でDIYすればいいのです。

安全な階段で暮らしに安心を

高齢者の事故発生件数で一番多いのはご家庭内。交通事故よりも、ご家庭での事故が多いという事実は意外と知られていません。その中でも階段は、家庭内で居室に次いで危険な場所。

また居室の事故はベッドからの転倒や家具につまづいて転倒など、比較的軽症で住む事故に対し、階段での転倒は大事故につながりかねません。手すりがない、勾配が急でヒヤッとする等、安全性が低い階段ではいつ事故が起きてもおかしくないのです。

DIYで滑り止めを取り付けるなど、今からできる対策はありますが、そもそもの階段の構造が悪い場合、それだけの対策では防ぎきれない事故もあります。

ここからはご自宅の階段が安全かどうかの確認から、リフォーム会社に依頼した方がいい事例とその理由についてご説明いたします。

上りやすく下りやすい、使いやすい階段の寸法

階段には、上りやすい傾斜と寸法が存在します。建築基準法では下記の要件を満たす必要がありますが、こちらはあくまで最低ライン。

・１段分の高さ＝蹴上（けあげ）が、２３センチ以下

・足を置く場所＝踏面が１５センチ以上

・階段と踊り場の幅が７５センチ以上

特に踏面１５センチって、結構怖いです。蹴込み板ギリギリまで足を持って行くとぶつけてしまったりつっかえてしまいます。少なくとも２センチほどは隙間を開けて足を置くのが普通です。そうすると踏むことのできる踏面は、１３センチほどに。それに対し日本人の足のサイズの平均が２４センチです。つまり、１１センチぐらい足がはみ出してしまう階段です。上る時は何とかなっても、降りるときは横向きにならないと降りられませんね。

最近の住宅では法律で定められた最低基準ではなく、日本人の足のサイズに合った、使いやすい階段の寸法が取られます。

使いやすい寸法とは、蹴上の２倍に踏面を足して６０センチになる寸法といわれています。

日本人の足のサイズや歩幅から算出された一般的な数字となっているため、多少の個人差はあります。階段の上り下りがしづらいと感じている方は、ご自宅の階段をメジャーなどで計ってみてください。古いお家だと、極端な寸法になっていることが多々あります。階段をリフォームする際は、ぜひロビンの設計士にご相談ください。ご家庭に合った寸法をご案内させていただきます！

費用を抑えて安全性を向上する方法　　手すり・滑り止め・ライト

階段自体に手を加えることができない、もしくはできる限り費用を抑えて安全性を向上したい場合の対策をご説明していきます。

体を支えてくれる手すり

引用元：パナソニック株式会社　システム階段・手すり：商品ラインアップ

手すりは万が一足が滑った時でも、体を支えてくれます。DIYで取り付けることも不可能ではありませんが、しっかりと固定できていない場合、手すりが原因の事故が発生してしまうこともあります。事故が起きた後の入院費や生活の不便を考えると、リフォーム会社にお願いし、しっかりと取り付けてもらった方が良いでしょう。

手すりを取り付ける場合、既存の壁に取り付けると手すりの分空間を圧迫します。壁が厚い場合などは、壁に穴を開け、手すりを壁の内側に設置することも可能です。その場合、壁の工事も必要となりますので、費用はやや増します。

踏板がツルツル滑る時は要検討！　滑り止め

こちらはDIYの項目でもご紹介しましたが、よりキレイな仕上がりを求めるのであれば、リフォーム会社に依頼しない手はありません。既存の階段に合った色合いや、寸法ピッタリの施工ならお任せください。

足元を明るく！　夜間用ライトの設置

寝室が二階にある場合や、階段の照明が暗い場合などは、照明の設置を検討されてください。スイッチは手の届きやすい場所に配置することが望まれます。どうしても慣れてくると照明をつけずに上り下りしてしまう、といった場合は、人感センサー付きの照明を採用する、蓄光タイプの滑り止めを設置などの対策をおすすめします。夜間の事故は発見が遅れることもあるため、しっかりと対策をしておきましょう。

危ないと思ったら、大規模なリフォームも検討を　

これまで様々な対策をお伝えしてきましたが、傾斜や板幅の問題は階段自体に手を入れるほかありません。大規模なリフォームと聞くと費用が心配だと思いますが、ご安心ください。費用を抑えつつ施工することももちろん可能です。費用の目安も掲載いたしますので、ご参考にされてください。

費用を抑える方法　プレカット工法

引用元：株式会社ノダ　階段・手摺

既存の階段を取り払い、完成済みの階段を取り付ける方法です。現場に合わせて一から階段を作るより費用を抑えることができます。すでに工場で加工された部材を取り付けるため、工事期間も短くできるのも嬉しいですね。各メーカーよりデザイン性・安全性に優れた製品がラインナップされているため、設置後の満足度も高い工法です。

安全性を重視！　直線ではない階段の採用

引用元：株式会社ノダ　階段・手摺

階段の途中で角度を変えるかね折れ階段や、コの字型の階段を採用すると、もし転落した場合でも落下距離を半減することができます。若い方であればとっさの反応で手すりなどに摑まることができても、高齢になってくると反応ができないこともままあります。そんな時、直線の階段であれば１階まで転がり落ちてしまうのに対し、折れがある階段であれば、折り返しの部分で止まることができます。ただし、２階までの高さや、折り返しを設けるための面積が必要なため、直線階段からの変更は綿密な現場調査とお家の間取りリフォームが必要です。

今ある階段の撤去と新しい階段設置に必要な費用

撤去から完成までおおよそ５０万円～程の予算をご検討ください。階段の段数や形状、手すりなどのオプションによって金額に幅はありますのでご注意ください。ただ、万が一転落した場合の通院費用や入院費、交通費などを考慮した上でご検討することをおすすめします。けがをした後に悔やんでも、取り返しはつきませんからね。

階段を有効活用しながらインテリアとして楽しむ方法

ここまでは真面目な話が中心でしたが、最後は明るい話題にしましょう！　せっかく階段に手を入れるのであれば、今よりも便利に、もっとおしゃれにしてみませんか？　デザイン性に富んだ階段を選んだり収納を増やして実用性を上げたりと、階段のリフォームと一緒に検討したい事例をご紹介いたします！

プレカット工法で選べるおしゃれな階段３選！

プレカット工法は、工場で作られた各部品を組み合わせて階段を作る方法です。各部品のカラーなどを選んでいけば、オリジナルの階段が完成します。材質や表情を見比べながら、オシャレな階段を作りましょう！

クリアパネルがスタイリッシュな階段

引用元：LIXIL株式会社　階段

階段の開放感と安全性を両立させたこちらの階段。ガラスではなく５ミリ厚さのアクリル板を使用しているので、割れの心配がなく安心です。

天然木にこだわった、パナソニックのマイスターズ・ウッドシリーズ

引用元：パナソニック株式会社　マイスターズ・ウッド階段

木の質感が美しい、マイスターズ・ウッドシリーズ。表面には滑りにくい加工が施されています。パナソニックの床板材と組み合わせれば、床と階段のイメージを統一することも可能です！

一本の鉄骨でスッキリした空間演出

引用元：大建工業株式会社　リビング階段

宙に浮いているような印象を受けるこちらの階段。空間をスッキリと魅せる効果があり、開放感がありますね。階段は大きなインテリアになりますので、色調は周囲とのバランスが大切。設計士と一緒に今のお家を見させていただき、ピッタリの階段をご案内いたします！

階段に収納をプラス！　階段下収納や壁面収納

階段と一緒に、周辺へ収納を増やしてみてはいかがでしょうか。生活が便利になったり、デザイン性がアップしたりといいことづくめ。階段と合わせた収納をちょっとだけご紹介します。

階段と一緒に壁もリフォームする場合は、壁面にニッチを設けて小物スペースにするととってもおしゃれ！　照明を取り付ければ、我が家の階段が美術館のような空間に！

施工事例：R.027　存在感と静けさ、大人和モダンリビング　岐阜県下呂市

階段の勾配を変える際、いっそのこと話題のリビング階段にリフォームをしてみるのもいいかもしれません。階段自体が立派なインテリアになります。その際、一緒に壁面に収納を増やしてみてはいかがでしょう。本やおもちゃ、趣味の道具まで、リビングで魅せる収納が完成です。リビングに収納が増えると、床やテーブルに置いてあるものが減り、生活感を抑えることができます。

施工事例：S.121　3人家族にちょうどいい29坪の家　愛知県

こちらは新築の事例ですが、キレイにまとまった階段下収納を施工した事例なのでご紹介します。階段下に収納を設ければ、デッドスペースを有効活用できます。扉を設ければ、掃除機などあまりリビングに出しておきたくないものを隠しておけます。取り出すときの動線も最小限で済みますので、生活がより便利に。

人気のリビング階段！　メリットデメリットをご紹介

先ほどご紹介した、話題のリビング階段。おしゃれな階段と開放感のある吹き抜けは憧れる方も多い人気の間取りです。急な勾配の階段をなだらかにする場合、廊下面積を圧迫してしまう場合があります。そんな時は思い切って廊下を無くして、リビングを拡張。階段をリビングにもってきてしまうのも一つの方法です。ここではそんなリビング階段のメリットデメリットをご紹介します。

R.011　無垢のパイン材に囲まれた ほっこりナチュラルな家　岐阜県大垣市

メリット

リビングが広く見えること

階段がリビングに来ると二階までの空間がつながるため、リビングが広く見えるようになります。廊下部分をリビングにした場合は、床面積が広がるため物理的にも広くなります。

家族と顔を合わせる機会が増える

リビングに階段があると、必然的に顔を合わせる機会が増えます。また、食事の支度が出来た際など、階下から声がかけやすくなることもポイントです。

おしゃれな空間を演出できる

階段のデザインにこだわれば、階段自体がリビングのオブジェに。手すりなどの機能性を両立しながら、広いリビングにアクセントをつけることができます。

デメリット

来客中などは顔を合わせる機会が逆効果に

動線の関係上、階段を下りればリビングにいる人と顔を合わせることになります。階段の配置をドアの近くに配置するなど工夫すれば、鉢合わせのリスクを最小限にすることも可能です。

においが二階に上がる可能性がある

キッチン近くに階段があると、においが階段を通って二階に上ってしまいます。換気扇を見直したり、二階に窓を設置することで対策するとよいでしょう。

冷暖房が効きづらくなる

既存のリビング空間に加え、二階までの空間がプラスされるため空調の効きが悪くなります。シーリングファンを二階に取り付ける、空間の広さに合ったエアコンに取り替えるなどの対策をするとよいでしょう。ただし、この場合デメリットだけではありません。二階までの空間も同じ温度になるということは、ヒートショックの対策にもなります。

施工実例

R.008　開放感のあるリビングの家【中古住宅リフォーム】岐阜県下呂市

２階の子供部屋と１階で分断されることで、家族のつながりを心配されていた施工主様。リビング階段を導入することで、毎日家族の顔を見ることができる生活をご提案しました。

 

R.029　優しく人を招き入れてくれる家　愛知県春日井市

「古いものを大切にしながら、リフォームしたい」と希望されていた施工主様。天井を取り払い、隠れていた梁をあらわにすることでお部屋のアクセントに。階段も急だった勾配を改善しながらシースルーにすることでキッチンとリビングとの一体感を出し、さらに意匠的なポイントにもなっています。

R.067　旅行気分！ホテルライクな家【中古住宅リフォーム】 岐阜県岐阜市

空き家だった物件を全面リフォーム頂いた事例です。補助金を活用したため、費用を抑えることができました。その分デザインには細部までこだわり、お客様希望の「ホテルライク」な空間を実現。リビングの階段がとってもおしゃれです。

まとめ

今回は階段リフォームについて、解説させて頂きました。戸建のお家のほとんどに採用されている階段。家族構成や年齢の変化と共に階段のあり方も変わっていきます。些細なお悩みでも構いませんので、お気軽にサイト上部の電話番号や、LINEまでお気軽にお問合せ下さい。安全性や機能性を大切にしつつ、上り下りが楽しくなる階段をご一緒に考えられれば幸いです。

 

（文責　坂田　陵）