
壁付けで孤立感のあったキッチンは、対面キッチンとし、リビングとの間仕切り壁にRの窓・カウンターを設けることで抜け感と空間の繋がりを出しました。Rの窓は外観ともつながりのあるモチーフ。耐震性を考慮して柱はなるべく残した計画にしています。LDKには広さを活かして吹き抜けを設けました。2階の居室を一部解体して梁を現しにしています。既存の梁の太さがバラバラだったので、木材を添えたり下地ボードを貼ったりして太さを揃え、木目のクロスを貼って仕上げました。
バリアフリーを考慮し、1階、2階ともほぼ段差のないようにしています。階段横にあった6cmの段差は見切りスロープをつけて緩やかな傾斜にしました。引き戸は上吊り仕様を採用しフラットなフロアになるように。現在ご夫婦は2階に寝室がありますが、いずれ1階の和室を寝室にもできるよう和室の収納を増やしました。
お施主様のご両親が住宅雑誌(1970年代)の表紙に一目ぼれしデザインを気に入って建てられた住宅で、お施主様も気に入ってみえたので既存の雰囲気をできるだけ残すように計画しました。東面の痛みが激しい部分は一部サイディング貼りにしましたが、外壁はほどんど触らずに補修のみにとどめています。
「寒さを何とかしたい」というお悩みがありましたので、道路に面している窓以外はすべてサッシを交換し、天井・壁・床は断熱材を入替えています。浴室とトイレは寒さ対策のため開口部を無くしました。また、耐震性能を上げるために要所に筋交いや耐震金物を追加しています。間取りは大きく変えず、キッチンの位置の変更や吹き抜けの新設などでご夫婦のご希望の暮らしを叶えられるように工夫しました。