(23)若いうちは何をしようとしたか(2026.9.7)
「若いころはなにをしようかということであり、老いてはなにをしたかということである」
司馬遼太郎は『坂の上の雲』の中で、秋山好古のこの信条を描いている。
私は27歳の時に社内でリフォーム事業を開始し、28歳の時に法人化をしてスタートさせた。当時の私はまさに「なにをしようか」そのものだった。
そんな私が起業した時に心に刻んだ3つの言葉がある。「志、運、時流」である。
時流とは、文字通り時の流れのことだ。今月、大きな時の流れを感じるニュースがあった。
ハウスメーカー大手の大和ハウスが、国内23道県で新築戸建て事業から撤退するという内容だった。一方で、リフォームなど住宅ストック事業は強化するという。新築業界、特にトップメーカーの拠点縮小は、大きな流れの転換点になるかもしれない。積水や住友はどうするのか。地方工務店に生き残り策はあるのか。
弊社も何度も時の流れを受けてきた。
2014年の消費増税の際、名古屋支店の新築事業が受注7割減となった。今思えば増税だけの影響ではなかった。その前から類似した差別化住宅との競合が激化していたし、社員の離脱もあった。もうダメかと考えていた時、今の二人の社長と執行役員が「頑張りましょう」と言って、嫌な役をすべて引き受けてくれた。私が青春を過ごした街・名古屋支店の撤退は苦しい決断だったが新築の積極受注の停止共にそれを決めた。
それから創業の地・岐阜県とリフォーム業という本業回帰に大転換。会社は現在、その時の2.5倍の売上に成長した。
運について。私は20代前半に、幸運にも「運」に興味を持ち、ある方から指南を受けることができた。私がぼんやり考えていたこと、それが確信に変わった瞬間だった。
運は有限である。増えもするし、減りもする。無意識に使うこともあるが、レベルが上がれば意識的に使うこともできる。運は自分で増やすこともできるが、他人から与えてもらう方が量は多い。他人から奪うこともできる。しかし奪った運は色が違う。だから、いずれ奪われる。
運を入れるものを「器」という。運は自分でも他人からでも増えたり減ったりするが、器は自分でしか大きくできない。それも時間がかかる。
自分の考えと行動で器を大きくし、自分でも他人からでも運を増やし、そして運を使う。そうやって運は巡り巡って、また自分の器に入ってくる。
運は尽きることもある。その時は器を磨くチャンスだ。ピカピカに磨いておけば、また入ってくる。
私が起業した2000年、多くの中小企業経営者がそうだったように船井幸雄氏の門をくぐった。彼は「運」を「ツキ」と言った。
「ツイている人と付き合いなさい。ツイていない人とは距離を取りなさい」。真理だと思う。
20代の頃は運の良い人生を求めた。しかし55歳になった今は、運を振りまき、分け与えることのできる人間になりたいと思っている。
志について。時流そのものは変えられない。しかし、時流をどう受け止め、運をどう使うかは、志の強さで全てが変わる。高い志があり、それを求めるなら、小事に関わっている暇はない。私は27歳の時、志が何よりも大切だとは理解できたが、それがあったわけではなかった。あったのは、今いる社員をどう守るかという強い責任感だったと思う。
今、志は何かと聞かれれば、即答はできない。しかし社員と社員の家族、Jackグループの会員の皆さん、集ってくれる仲間。そして自分自身に対しての責任感と、それに対するヒリヒリした気持ちは何も変わっていない。
「若いころはなにをしようかということであり、老いてはなにをしたかということである」という言葉で始まった私の仕事人生だが、今、私はそれをあえて書き換えたい。
「若いころはなにをしようかということであり、老いてもなにをしようかということである」
人生は前にしか道は続いていない。私たちにできることは、止まるか、前に進むか、それだけである。
常に挑戦し続ける人生でありたいと思う。
最高経営責任者 蜘手 健介
ロビンのリフォーム・リノベーション一覧
ロビンは、換気扇レンジフードの交換リフォームから、設計士がご提案するフルリノベーション、注文住宅まで幅広く対応しております。
それぞれのサービスの紹介、施工事例、お客様の声などをご覧ください。






































