2026年9月 志と若さ、老いとか人生とか
残暑の候、55歳になって初めて「早く夏が終わらないかな」と思っていた暦も9月に入りました。幾分、暑さも和らいだかな、と思いきや、台風の多発、また各地で線状降水帯による大雨や土砂災害なども発生。自然の摂理とはいえ、どこで何があるかわからないな、と改めて認識した次第。
何があるかわからない、といえば81歳の母が8月初旬、脳出血で倒れ緊急搬送、入院。心配をしましたが命に別状はなく、現在はリハビリ棟にて少しずつですが、回復をしています。
「高齢の方は3日、寝込んだら寝たきりになってしまいます。回復はリハビリ次第」と主治医から説明を受けたこともあり、頻回に見舞いに行って本人のやる気と奮起を促しています。(ついこの前まで元気だったのに)と思うと同時に、こうなってしまった以上、家族で暖かく見守っていきたいと思っている今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。Robinの蜘手です。今回は私が大切にしているいくつかの言葉をご紹介します。
「若い時は何をしようとしたかであり、老いては何をしたかである」
これは司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」の中で、主人公の1人である秋山好古の思いとして出てきた言葉です。私自身もこれまでも大切にしてきたし、これからも刻んでおきたい言葉です。
若い時には結果が出ようと出まいと大きな志を抱き、余計な欲を捨て何かに向かって一点にエネルギーを注いでいる事に価値がある。同じ後悔をするなら、やらなかった後悔より、やり過ぎた後悔の方がいい。
志を失うことはしない、倒れるなら前向きで倒れてやる、そんな思いを持っていました。(若いですね)
「志・運・時流」
私は1999年に父の会社である蜘手電気の社内事業としてリフォーム事業を立ち上げ、2001年、29歳の時に法人化をしました。経営理念もビジョンもない、まさに徒手空拳の船出でしたが、志だけはありました。
また「運は待つものではなく、引き寄せるもの」とも信じていました。全ては偶然であり奇跡であり、無作為の産物。意味もなければ意思もない。それは真理だと思いますが、せっかく生きているなら、人生を全うするなら、全ては必然であり必要であり、意味があり意思があるものと考えた方が主体的な人生になる。だから「運を引き寄せるための生き方をしよう」。それは今でも変わらぬ思いです。
そして「時流」はやはり商売をする上で今でも最も大切です。先日、最大手ハウスメーカーである大和ハウスが国内の23道県から新築戸建事業を撤退し、既存住宅のリフォームなどを強化するとリリースがありました。これには驚きました。国内の新築需要の落ち込みが一時的ではないと判断したのだと思いますが、あの最大手でさえ時流には逆らうことはできないと判断したのだと思うと、背筋が張り詰める思いがします。
「人間万事塞翁が馬」
人生の幸不幸は予測できず、何が幸せで何が不幸かは後になってみないとわからないという意味の故事成語です。長く経営をしていると「いい感じだな」と思う瞬間もありますが、「どうしようか」と思い悩むこともあります。実際、過去に何度かピンチがありました。もうダメだと思っても、社員と向き合い、お客様の声を聞き、自分自身と向き合ってその後、そのピンチが大きく成長を遂げる転換点だった、ということもあります。
「諸行無常」
形あるものいつかは崩れ、命あるものいつかは尽きる。父を1月に亡くし、母は脳出血で入院をしました。私もつい最近まで「若いね」と言われていた気がしますが、すっかりシニアの年齢になっています。若さゆえ、無礼で失礼で蒼くて、そして精一杯の背伸びをしていましたが、それは自信のなさと不安の大きさの裏返しだったのではないか、と思う時もあります。
人生は長いのか短いのか。終わる時に考える余裕があるのか、ないのか。徒手空拳で始まった会社も今では、多くの人に支えられています。私はたくさんの言葉に救われてきました。そして年齢を重ね、人生の深さも少しわかるようになってきました。しかし「老いては何をしたか」にはまだ早い。まだまだ頑張ります。
最高経営責任者 蜘手 健介
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