(3)ナフサ問題、まな板の上の鯉(2026.4.20)
いやはや、本当に面倒な事態になった。
イランと米国の争いからホルムズ海峡の閉鎖を経て、3月後半から現場では「シンナーがない」「油性塗料が消えた」という状況になった。少し前から「石油由来の商材が作れない」という情報はあったが、噂と憶測の域を出ておらず、まだ楽観的な予測もあった。しかし4月に入り、大手企業の決算期から新年度に切り替わった辺りから、各メーカー、商社、問屋より毎日のように納期遅延や受注対応に関する情報が一気に入ってきた。
4月7日、フクビ化学工業から「中東情勢悪化に伴う当社製品の一時受注停止について」というリリース。フェノバボード、防水テープ、UB枠、バスパネルBTJなど18品目を当面の間受注停止するという内容である。同社は既に4月1日からフェノバボードの現場配送費を別途請求する通知を出しており、さらに8月1日受注分からは対象製品の20%価格改定も予告済み。段階的に追い込まれている状況がうかがえる。同時期、旭化成建材のネオマフォーム、田島ルーフィングのウレタン防水材「オルタック」、三協化学なども相次いで受注制限・納期調整に入った。業界全体が同時多発的に供給制約に直面している。
そして4月13日、TOTOからユニットバス受注停止のリリース。これが混乱を極める引き金となった。
その日から各経営者、団体、商社、メーカーと矢継ぎ早に連絡を取り、状況の把握に努めた。実態がわかればわかる程、その深刻度に唖然とした。その時点で、中長期的にできることはない。短期的、超短期的な対応しか考えられないと察し、在庫確保に動いた経営者は少なくない。どう考えても民間企業の対応できる範囲を超えていたのである。
ちょうどそのタイミングでJackグループの企業視察で倉敷市のカスケホーム社を訪問していた。視察後、Jackグループ会員に向けて現状認識と対応方針をまとめたメッセージを送った。そこで書いた私見は以下の三点である。
第一に、工場稼働率は120〜130%を続けることはできないだろうから、しばらくは納期回答が出ない状況が続く。第二に、しかし生産が止まっていないのであれば注文は出し続けた方がよい。第三に、検討中のお客様にも決断が遅くなればなるほど金額は高くなる。
日経新聞の4月14日の記事によれば、赤沢経済産業大臣はシンナーやナフサの当面分は確保していると明言している。つまり石油メーカーの供給不安に対し、部品メーカーが過剰に反応している面もあり、フクビ、TOTOの受注停止はその一例と見ることもできる。
一方で、イラン産以外の原油調達によりナフサ由来の材料価格が高騰していることは紛れもない事実であり、今後、継続的に製品価格への転嫁(値上げ)につながるのは容易に予測される。現にフクビは8月から20%の価格改定を予告済みである。政府回答が一定の安心材料にはなるとはいえ、依然として消耗品や管材等の不足は続いており、特に中小企業はしばらくは工夫と苦労を強いられる状況である。
結局のところ、短期の対応方針は二つに集約される。価格変動の可能性を念頭に置きつつ、臆せず契約を進めること。納期回答が未定であっても、速やかに発注を入れること。この二つを愚直に積み重ねていくしかない。
中長期で打てる手はない。まるで「まな板の上の鯉」である。
しばらくは短期決断の連続になるだろう。胃が痛い日が続きそうである。
最高経営責任者 蜘手 健介
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