(5)企業が新卒採用を減らす時代(2026.5.4)
共同通信社が4月20日に発表した主要企業111社へのアンケートで、2027年度の新卒採用を「減らす」と答えた企業が23%に達し、5年ぶりに「増やす」を上回った。4社に1社が減らすと答えたことになる。
新卒採用「減らす」23% 5年ぶり「増やす」上回る
「減らす」理由の最多は「デジタル対応を通じた省人化」。大手電子部品メーカーは生成AIの活用、大手住宅会社は即戦力のキャリア採用強化を挙げている。調査対象は主要企業であり、中小企業の現場がすぐに就職氷河期に戻るわけではない。ただ、この数字は単なる景気の調整弁ではなく、日本型雇用の前提そのものが動き始めた合図ではないか、と私は受け止めている。
終身雇用、年功序列、新卒一括採用。この三本柱を揃って約束できる企業は、もうほとんど残っていない。約束したくてもできない時代になった、というのが正確だろう。十年前であれば「最低三年は勤めて、五年で一人前」という暗黙の合意のようなものがあった。今は転職ありき、経験ありきでキャリアを組み立てる発想のほうが主流である。
経営者として皮肉に感じるのは、「辞めさせたくない」という気持ちが先に立つほど、教育はマイルドになり、成長が遅れるという逆説だ。踏み込めば辞められるかもしれないと言葉を選んでいるうちに、育成そのものが遅れていく。
弊社でも、この流れを正面から受け止めて入社式には一年以内に中途入社した社員を、新卒と同じように迎え入れるようにした。これはもはや「新卒一括採用」ではなく、通年・キャリア混在型の入社への静かな移行だと考えている。
さて一方で。
この事象を親の立場で考えてみる。
経営者としては離職を嘆くが、親としては「嫌なら辞めたらいい」と言うだろう。これが多くの経営者の本音ではないだろうか。自分の子どもが合わない職場で人生を消耗するくらいなら、次のチャンスを掴みに行ったほうがいい。一つの会社に縛られず複数の現場を見てきた人のほうが、視野が広く判断も早い。そういう事例を、経営者として何度も目にしてきた。
つまり私は、経営者と親の立場で正反対のことを言っている。矛盾である。
ではこの矛盾をどう捉えればよいのか。
かつての雇用契約は「会社が一生面倒を見る代わりに、社員は一生尽くす」という長期の相互依存であった。今起きているのは、この契約が「会社が成長の場を提供し、社員がその場で価値を出す」という期間限定の価値交換へと組み替わっていく動きである。AIで代替できる業務は代替する。足りない戦力は即戦力のキャリア採用で埋める。新卒は「三年で一人前」から「短期間で戦力化」へ。この流れは、好むと好まざるとにかかわらず進んでいく。
親として「辞めていい」と言えるのは、世の中に選択肢があるからだ。経営者として「辞められると困る」と感じるのは、選択肢がある世界にまだ自社が適応できていないからである。二つの立場の矛盾は、同じ一つの構造変化を、受け取る側と提供する側から見ているにすぎない。
順応し、成長し続ける企業だけが残る
どのような時代が来ようと、企業は順応し、成長を続けなくてはならない。これは蜘手家経営の根本に据えている「持続可能性」の問題そのものである。
新卒一括採用が揺らぐなら、通年採用と中途統合の仕組みへ。終身雇用が前提でないなら、短期間で戦力化する育成設計へ。年功序列が通用しないなら、役割と成果に応じた処遇へ。AIが業務を代替するなら、人にしかできない仕事への再配置へ。順応すべき方向は、すでに見えている。
環境は選べない。選べるのは、その環境にどう順応し、どう次の形をつくっていくかだけである。
古い仕組みにしがみつかず、次の形を自らつくっていく。それこそが、これからの経営が向き合うべき持続可能性の核心だと、私は考えている。
最高経営責任者 蜘手 健介
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