2025年10月　歴史と未来　変化を受け入れる勇気

１０月に入り夏の暑さも残りつつも、秋の涼しさを感じるようになってきました。
まだ日差しが強い時はありますが、「暑すぎる夏がやっと終わりか」という嬉しい反面、「今年も夏らしいことができなかったな」という思いもよぎります。しかし今年の夏も暑かったですね。Robinの蜘手です。

９月、私が主催する経営者団体の全国大会が長崎市で開催されました。長崎市は江戸後期から昭和初期にかけて、激動の歴史を歩んだ街です。近代化に貢献したトーマス・グラバー氏（グラバー庭園が現存）、坂本龍馬の亀山社中、三菱を興した岩崎弥太郎など幕末前後の歴史の足跡が今も大切に残されています。第二次世界大戦では原爆が投下され、復興に多くの人の努力と愛情が注がれた街でもあります。

その長崎駅前は再開発により大きく風景が変化しました。
「ジャパネットたかた社」が１０００億円の出資をして建造されたサッカー場であるスタジアムシティが建設され、ヒルトン、マリオットなど世界ブランドのホテルが立ち並んでいます。古き良き長崎と、未来に向けて新しい歩みを進めている長崎を体感することができました。

「諸行無常」　。形あるものいつかは壊れ、命あるものいつかは尽きる。この世の全ては変わり続けている。

私の頭に常に響いている言葉の１つです。自分の細胞、肉体も日々、変化をしている。昨日と同じ今日ではないし、今日と同じ明日である保証はどこにもない。変わっていくには勇気が必要だけど、その勇気がなければ衰退していくだけ。そんな思いを胸に、帰路についた次第です。

さて「変化」といえば、自民党新総裁に高市氏が選出されました（６日現在）。
自民党が過半数を確保していないために新総理大臣への指名がスムーズにされるかどうかは分かりませんが、故安倍総理の流れを汲む人材ということで岸田氏、石破氏とはまた違った政権運営になるのか。それともさほど変わらないのか。

政治家は選挙前になると、とても頼もしい言葉を発してくれるのですが、選挙後になると「あれ？」と思うほど変容します。「それが政治家というものだ」という意見は身も蓋もないですね。

日本が抱える問題は多くありますが最大の問題は人口減少ではないでしょうか。しかし単純に人口が減少するという問題よりもっと深刻なのは「人口流動」です。人口流動とは過疎地から市町へ、市町から地方都市へ、地方都市から中核都市へ、中核都市から東京へ、東京から世界都市へと人が移り住んでいくこと。

「若者がより大きな街へ出て地元に戻ってこない」というのは人口流動の１つの現象です。
リフォーム事業の需要でいえば、以前は「実家に息子が越してくる同居のリフォーム」が多かったですが、最近、地元から離れた息子さんが親を呼んで同居するためのリフォームをするというニーズも生まれています。　人口が少ない地域はより少なくなり、人口が多い地域はより人口が増える（相対的なので絶対数が増えるとは限らない）現象が起こります。実際、近年は東京だけが人口増となり地方は人口が減っています。

地方の事業者にとっては今日明日では影響はないですが、長いスパンでは大きく影響されるでしょう。
国も国民も都合のよいことばかりに目を向けず、現実を受け入れて国家の未来像を議論しておかないといけない時期になっているような気がします。

Robin社も今年は創業２５年で来年は２６年目に突入します。企業寿命は３０年と聞かされてきました。変化をしなければという思いで数年前に高山と岐阜を分けてそれぞれ取締役社長を置きました。人材不足と採用難という課題は依然として続きますが、現状に甘んじることなく変化を恐れず挑戦を続けていきたいと思う今日この頃です。　残暑がまだ続く季節です。皆様、ご自愛くださいませ。

2025年9月　暑い夏と７連休　波平さんと５４歳