2024年11月 選挙と民意 経済の本質とは?
先日、飛騨高山と岐阜を行き来する東海北陸自動車道から清見から高鷲の辺りにかけて鮮やかな紅が目に入ってきました。前回も書きましたが、紅葉が始まるのは1日の最低気温が8度以下になることが条件のようです。日中が気持ち良い晴天でも朝夕は冬間近という気配を感じるようになったこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。Robinの蜘手です。
さて政治の話です。10月27日に行われた衆議院選挙では結果的に自公が過半数の議席を確保できず惨敗。一部野党が躍進をしました。自民党の苦戦は選挙前から予想されていましたがそのまま結果として現れたな、というのが感想です。
高山市は岐阜4区、古くから自民党が強く金子氏が3世代続いている選挙区でした。今回は3代目の金子俊平氏(46)も落選。逆風か、それともそもそもの実力不足なのかはわかりませんが、「ただの一般人」になってしまったここからが本当の勝負。様々な意見はありますが「行くも地獄、戻るも地獄」だと腹を括れるかどうかでしょう(現在、色々と本人の素行が取りざたされていますが…)。しかし国民ができるのはここまで。11月11日には特別国会が招集され首班指名があるようです。すんなり石破氏が指名されるのか、それともサプライズがあるのか。楽しみに傍観したいと思います。
選挙といえば米国でも大統領選挙が開票され共和党のトランプ氏が4年ぶりに再選をしました。
私は以前、トランプ政権だった時に米国へ行った際、ガイドをしてくれた女性の方に
「トランプ政権って実際はどうなのですか?」と聞いたら
「オバマ政権の時は政策的に物価を安くしてくれたので食料品など日常的に買い物をする女性は嬉しかったが、税金を高くしたので手取りが減る男性があまり喜んでなかった。トランプ政権では逆に物価が上がる政策を取ったので家計は苦しくなったが、減税で手取りが増えた男性が多く、トランプ政権は最高だという人も多かった」と教えてくれました。あれから数年。今回は初の女性大統領が誕生するのかと思いましたがそうもいかなかったようです。
そんなこんなで今回、日本の衆議院選挙と米国の大統領選挙があったわけですが共通しているのは「現政権への反意表明」でした。日本は政権与党である自民党・公明党、そして米国では民主党への不満、つまり今の生活の不満、不安がそのまま現れたのではないでしょうか。
今回の日本の選挙では「国民生活」と「経済」という言葉をよく耳にしました。そもそも「国民生活」における「経済」とは何を指すのでしょうか。株価?大手企業の業績?税収?GDP?またそれらの総称?この「経済とは何か」の定義がはっきりしていないのです。ですから経済をよくする、という行動、そのために個人は何をすべきなのか、がよくわからないのです。
私は「経済」とは「消費行動」だと思います。株価が上がることも企業業績をよくすることもそこに直結しなくてはならないと考えています。過去、消費が旺盛だったのは戦後の物がない時代(高度成長期)や世界に追いつけ追い越せという気概のあった1980年代(バブル期)でした。今はモノに溢れ「特に欲しいものがない」という世の中になりつつあります。
そしてもう1つ重要なのは国民の「未来への不安」です。過去に政府が現金給付を何度かしたことがありますが6〜7割は貯蓄に回ったという報道もありました。お金があっても使わない。
「自分で貯金をしないと老後が心配」と将来に不安を持っているから、いくら手取りが増えても消費せず貯蓄に廻している、これも1つの現実です。これらの解消は政治の仕事です。国民が安心をして消費でき、中小企業の足を引っ張らない。そのような国になってほしいと願います。
株式会社ロビン 最高経営責任者 蜘手健介
最高経営責任者 蜘手 健介
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