(7)ガンダム世代と就職氷河期世代(2025.5.19)
「今、おいくつですか?」
「54歳になりました」
「じゃあ、ガンダム世代ですね」
「ガンダム世代??」
その言葉は知っていたものの、改めて調べてみると、"ガンダム世代"とは、1979年に放送開始された『機動戦士ガンダム』を少年期に視聴し、1980年代に社会に出た1957〜1967年生まれの世代を指すようだ。私は1971年生まれ。初代ガンダム放送時は小学校3年生、8歳だった。
アムロやシャアといったキャラクターの名前は知っているが、ストーリーは曖昧で、明確な記憶はない。定義上のガンダム世代よりも、少し下の年代にあたる。
ただ、プラモデルには夢中だった。近所の文房具店に新作が入荷すると、貯めた小遣いを握りしめて買いに走った。20歳くらいだった近所のお兄さんたちは本格的に塗装し、ジオラマを作ってはおもちゃ屋で展示していた。小学生の私は、組み立て図を片手に、パーツが形になっていく過程を楽しんでいた。ただし、アニメのストーリーまでは覚えていない。
「そういえば、初代ガンダムをちゃんと通して観たことはなかったかもしれません」
そう話すと、「オープニングとCMを飛ばせば1話20分くらいですよ」と言われ、試しに動画配信サイトで見始めた。
現在、全43話中16話まで視聴した。セイラがシャアを兄と認識する場面まで来た。
ここまで観て感じたのは、アムロが常に悩み、葛藤しているということ。彼は天才的な操縦技術を持ちながらも、心が戦場に追いついていない。その繊細さが印象的だ。
果たして、小学3年生の私は、アムロのマチルダさんに対する淡い憧れや初恋のような感情を理解できていただろうか(笑)。
─閑話休題。
ガンダム世代ならぬ、ガンダムプラモデル世代の私は「就職氷河期世代」でもあるようだ。
バブル崩壊後、多くの企業が新卒採用を絞り、キャリア形成の重要な時期に不安定な就労を余儀なくされたのがこの世代。非正規雇用や無職期間が長くなり、履歴書に空白が増え、厚生年金の加入歴も浅くなった。結果として、老後の備えが十分でない人も多いという。
最近、国会で「就職氷河期世代」への支援が議論されているこの世代は1970年〜1985年生まれを指すとされ、私自身もこの世代にあたる。
実際、50歳を過ぎた知人からは、大手企業での早期退職の話を聞くようになった。経営者の中には、後継者問題に悩む声や、過去の成功体験が判断を鈍らせているという話も出てくる。しかし、それらが本当に「初就職」の選択と関連しているのだろうか? 不安は今に始まったことではないし、これまでも、そしてこれからも、「努力と精進の積み重ね」こそが未来を切り拓くのではないか。
ただ、「自己責任か、構造的問題か」という問いの答えは、未だ簡単には出ない。
昨今、企業では「新卒採用が難しい」との声がよく聞かれる。しかし、本当に難しいのは、「採用した新卒が、長く定着し、成長していく環境を作ること」だと感じる。
かつては、終身雇用や年功序列といった制度が企業の売り文句であり、退職金や企業年金も手厚かった。その蓄えが、現在の住宅リフォームの原資になっているという声もある。
だが今は違う。商品のライフサイクルは短く、グローバル経済の波が地方企業にも直接影響する時代。たとえば、トランプ前大統領の気まぐれな発言ひとつが、世界で数十兆円規模の損失を生む。私たちは、国境を超えた経済の不安定さと向き合わざるを得ない。
だからこそ、必要なのは、「どの世代に属するか」や「いつ社会に出たか」ではなく、自らの使命を見出し、理念を持ち、地に足をつけて今と未来に向き合うことだと思う。

最高経営責任者 蜘手 健介
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