(28)新しい船出か。高市新総理とシン国家100年の計(2025.10.22)
石破茂総裁の退陣表明を受け、10月4日、自民党総裁選が行われた。下馬評では小泉進次郎氏が有力とされたが、蓋を開ければ第29代自民党総裁に選出されたのは高市早苗氏だった。彼女は就任直後、公明党との連立を解消し、日本維新の会と新たな連立を組むと発表。
永田町に久々に“風”が吹いた。浮かれ気分を一掃するようなドライな決断に、保守再編のリアリズムを感じた。
10月21日には第104代内閣総理大臣に指名され、組閣も無事完了。すぐさま米国のトランプ大統領、韓国の李在明大統領、中国の習近平国家主席と会談。国際舞台での存在感を印象づけた。
日本の「顔」としての初仕事は悪くない。さらに追い風として、株式市場には買いが集まり、日経平均はついに5万円を突破。市場心理は久々に明るい。100日間のハネムーン期間は上々のスタートを切ったと言える。
とはいえ、高市政権は少数与党の船出だ。だが、今の日本に必要なのはむしろ「不安定」かもしれないとも思う。ならなら安定多数が続いた結果、政治家は「国家」よりも「選挙」に関心を寄せ、政策で勝負する緊張感を失ってきた。危うい均衡の中でこそ、政治家は汗をかく。維新との連立に加え、政策ごとに協力可能な野党も見え隠れしており、国会運営は意外とスマートに進むかもしれない。
これぞ福岡伸一氏の「動的平衡」である。
一方で、やめておけばいいのに石破前首相は早速、米の減産政策を巡って批判の声を上げている。
首相経験者としての矜持だろうが、どうにも「ガヤ」感が拭えない。安倍元総理の後継とされる高市氏への個人的な感情も透けて見える。念願だった総理の椅子に一度は座ったのだから、いっそ潔く身を引いて後進に道を譲るほうが美しい幕引きだろう。
さて、私は以前から今こそ「国家百年の計」だ、と言っている。
日本はもう「戦後」ではない。そして経済的に世界のトップでもない。高度経済成長期やバブル時代の栄光を「本来の日本」と思い込みたい人も多いが、それは過去の幻影だ。現実の日本は、人口減少と労働力不足という構造的課題のただ中にある。経済力ではなく、国家の設計思想そのものを問い直す時期に来ている。
団塊の世代が80代に差し掛かり、戦後左翼教育の影響も薄れつつある。あと20年もすれば、左派的思想は少数派となり、世界的に台頭している「自国主義」「保守思想」が主流になるだろう。
その潮流の裏側にあるのは「分断」である。理想論ではなく現実として、国家運営はこれを前提に設計しなければならない。
さらに深刻なのは、現場の人手不足だ。農林漁業、建設、製造、介護、飲食、サービス──どの業種も労働力が足りない。すでに一部の地方では、公共工事が発注されても落札者が現れないという異常事態が起きている。理由は単純、現場管理者も作業員もいないからだ。
外国人労働者の受け入れを巡る議論は根強いが、そもそも日本が「選ばれる国」であり続けられるかも怪しい。少子化が加速する一方で、海外からの労働者流入も減る。今のままでは、産業の根幹が維持できなくなる。
こうした状況を踏まえ、私は住宅・建設分野こそ「内需の最後の砦」としてギアを上げるべきだと考える。Jackグループはまだロビー活動を行えるほどの規模ではない。しかし国の産業政策として住宅産業を支える動きを強く望みたい。地域で働き、地域で稼ぎ、地域で納税する。この単純で健全な循環が、日本再生の第一歩になる。
高市政権が掲げるべきは「シン国家百年の計」である。景気対策や補助金ではなく、教育・労働・産業構造をどう再定義するか。その覚悟を示せば、たとえ少数与党でも国民は支持する。政治とは、本来リスクを取る仕事だ。安定を望むだけの政治家より、嵐の中で舵を切るリーダーを国民は求めている。
日本の空気は変わった気がする。
問題は、変化を継続できるかどうかだ。「風」は、単なる一過性の追い風か、それとも日本を動かす新しい潮流になるのか。
					最高経営責任者 蜘手 健介
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