(16)命がけの夏、信念と顧客の未来への愛情
先日、トルコ南東部において観測史上最高となる50.5度を記録したという報道に接した。アフリカ北部からの熱波が原因とされ、乾燥と強風が加わり、大規模な山火事も発生しているとのことである。
日本においても、気象予報で「最高気温40度」が当たり前となる日はくるのだろうか。真夏のゴルフや夏の甲子園が「命がけのプレー」となる時代になることも遠くない未来なのか。
さて、私のゴルフの師匠で安藤プロという方がいる。付き合いはかれこれ15年以上。名古屋市北区にてインドアゴルフ場を経営されており、その施設とご自宅は弊社Robinにて施工を担当させていただいた。先日、その安藤プロから次のようなお言葉を頂戴した。
「1階で寝ているんだけど、昼間にエアコンをかけて、寝る時には切ってしまう。でも朝までぐっすり眠れていると話したら、“え、エアコン切って寝られるの?”と周囲に驚かれたよ。これって断熱がいいってことだよね。もっとセルローズファイバーを前面に出して営業したらいいよ」と。
「いやいや、もうすでに思いっきり前面に出してますよ」と笑ってしまったが、こうした実感のこもった声は非常にありがたいものである。
新築やリフォームに際して、業者は誰しも耳触りの良い言葉を並べがちである(我々も例外ではない)。ビジネスとしてある程度はやむを得ないことではあるが、近年はGoogleレビューや口コミサイトといった形で、お客様の声がダイレクトに届く時代となっている。
そのような背景もあってか、今や多くの企業が「顧客満足を高め、声を集めよう」と努めている。
住宅業界における本質的な顧客満足とは何か。それは「住み心地」であると私は考える。建築中や工事中の対応、手際の良さも確かに重要であるが、それ以上に大切なのは、実際に暮らしてしばらく経ってから感じる「快適さ」である
私自身が営業をしていた頃の話だが、あるお客様とトイレの仕様について激しく意見が対立したことがある。1円でも安価なトイレを希望されるお客様に対し、私は「せっかくならグレードの高いものを」と提案した。
「こんなに高価なものはいらない」
「いや、今のご家族のライフスタイルを考えると、良いものを選んだ方が良いと思います」
最終的にはお客様が折れて私の提案を受け入れ、グレードの高いトイレを設置することとなった。今であれば「生意気な若い社長に高いものを売りつけられた」と☆1のレビューがついていたかもしれない。
しかし、数年後にその方と再会した際、開口一番にこう声をかけていただいた。
「トイレ、あれで良かったよ。やっぱりグレードの高いものは違うね。家族はもう慣れてしまったけど、親戚や友人が来ると“あのトイレ、いいねえ”と言ってくれる。やっぱり違うんだね」
私は「ありがとうございます。ご無理を言ってしまい、すみませんでした」と頭を下げたが、内心では思わずガッツポーズをしていた。
住宅に関する仕事の評価は実に難しい。工事が終わってから感謝されることもあれば、逆に工事中は満足していただいても、数年住んでから不満の声をいただくこともある。実際、弊社も過去にそうしたご指摘を受けた経験がある。
しかしこの仕事において本当に大切なこととは何か。
私たちが決して忘れてはならないのは、「信念」と「お客様の将来に対する愛情」である。
それこそが、私たちの仕事の本質であり、揺るぎない軸であると、改めて強く感じる今日この頃である。

最高経営責任者 蜘手 健介
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