2025年5月 連休と菖蒲湯 資質と能力
新緑の季節となりました。朝晩はまだ肌寒い日もありますが、陽気に誘われて外に出かけたくなるような気分になりますね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。Robinの蜘手です。
弊社も連休をいただきましたが、私は今年も5月5日に「菖蒲湯(しょうぶゆ)」に入りました。ご存知の方も多いと思いますが、菖蒲湯は邪気払い・厄除け、そして健やかな成長を願って行うものです。
その起源は古代中国にあるとされ、雨季には邪気が入りやすいと考えられていたことから、薬草の香りで邪気を払うという風習が生まれ、日本では端午の節句の行事として定着しました。今年一年、これで元気に過ごせそうです(笑)。
さて、連休中には新紙幣の1万円札の肖像として採用された、渋沢栄一氏の著書『論語と算盤』を読み終えました。要点をまとめると「論語と算盤とは一致しなければならない」、すなわち道徳と経済を両立させ、利益追求と社会貢献を調和させるべきだという考え方が記されています。
渋沢氏は明治政府で官吏を務めたのち、日本経済の基盤づくりに大きな功績を残した実業界の巨人です。時代は異なりますが、発想力と行動力、そして何よりもヴィジョンと構想力の大きさを著書からも強く感じました。そしてその根底にあるのが、孔子の思想をまとめた「論語」への深い共感でした。道徳なき経済活動の危うさ、そして社会に貢献することの意義を、私自身も改めて考えさせられました。
さて、先日開催された全社会議では「資質と能力」について話をしました。資質とは、生まれ持った性格や特性であり、その人らしさ・個性ともいえるものです。一方、能力とは課題や行動に対して求められる知識や技術のこと。能力の中には生まれつきの要素もありますが、多くは経験や学習を通じて身につけていくものです。仕事をするうえで、「資質」と「能力」は切り分けて考える必要があります。
例えば「工事後の清掃が綺麗でなかった」とお客様からクレームをいただいたとします。このとき、清掃のスキルがあるにもかかわらず怠けていたのであれば、それは反省すべき行動であり、注意や指導の対象です。
しかし、本人が「綺麗に掃除したつもり」だった場合、それは「綺麗にするとはどういうことか」という基準が本人の中で育っていない可能性があり、これは能力というより資質の問題です。つまり教育と経験によって高めていく必要があります。
ある経営者の方から、「最近は“教育・指導・ハラスメント”の区別が難しい。社員にどう声をかけるべきか迷う」といった声を聞きました。私もまったく同感です。特に難しいのは「能力」ではなく「資質」についての指摘です。人格を否定されたと受け取られてしまえば、たとえ善意であってもハラスメントと捉えられる可能性があるからです。
だからこそ私は社員にこう伝えています。
「能力を上げることを『向上』という。資質を高めることを『成長』という。私たちは仕事を通じて人格を磨く。これもまた、仕事の大切な目的の一つだ。能力の不足は自分自身で気づくことができるが、資質の不足は他人に指摘されるまで気づけないこともある。そのときはムッとするかもしれないが、『教えてくれてありがとう』『成長の機会を与えてくれてありがとう』と思ってほしい。そして、資質の成長機会を与える側も、どうか“愛情を持って”伝えてほしい」
時代は大きく変化しています。お客様のニーズも日々進化しています。けれども、変わらない価値もあります。
弊社は、渋沢栄一氏が説いた「論語と算盤」の精神、そして「仕事を通じて人間的成長を目指す」という理念を、これからも大切にしていきたいと思っています。課題・難題・問題は、すべて成長のチャンスです。これからも、しっかりと向き合いながら前に進んでまいります。

最高経営責任者 蜘手 健介
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