CEO’s mail:21.4
4月、新年度が始まりました。新入生や新社会人、毎年のことながら新鮮な気持ちに立ち返ることができる季節ですね。今年は例年以上に花粉と黄砂に四苦八苦しているRobinの蜘手です。
4月3日、弊社でも入社式と社員大会が開催されました。昨年は新型コロナの影響で中止したので2年ぶりの開催。しかし今年も会場を借りての開催は見送られ、初のオンラインでの開催となりました。オンライン開催はただネットにつなげればいいというわけではありません。音声、臨場感、緊張感など会場開催よりきめ細やかな準備が必要でしたが、無事に閉幕。コロナ禍に相応しいイベントになりました。本部の社員も一安心だったと思います。
さて今年は大工見習い1名を含む新卒社員7名が入社してきました。ここで私の入社式での話を少し紹介したいと思います。
学生から社会人になったといっても生活環境がすぐ変わるわけではない。実家に帰れば親も健在で食事もベッドも用意されている人もいるだろう。そんな若者に仕事をする理由は何か?と問うのは酷だと思っている。仕事をする理由もなければ、仕事をしない理由もない。それが本音だろう。
しかし仕事をする理由がないということは、仕事の充実感も楽しみもないということだ。努力する気力も苦労して何かを成し遂げる気持ちも生まれない。私たちは人生の多くの時間を仕事で費やす。1日でも早く仕事をする理由を見つけなさい。何でもいい。仕事をする理由が見つかれば、人生は充実するはずだ。
私はこの事業を始めた時、早く周りに認めてもらう必要があった。しかし事業を開始し2年ほど経った時、業績が思うように伸びない時期があった。雇用も維持しなくてはいけない。短期間で成果を上げないと周りにも認めてもらえない。そんな重圧がかかっていたある日、行きつけの床屋に入った。
そこで知り合いの方が隣に座っており、仕事の話になった。
「蜘手君、リフォームの仕事始めたんだって?調子はどう?」
「いや、商売って楽じゃないですね。順調ではないです」
「そうだろ、そんなに甘くないだろ。仕事、欲しいんだろ?うちの屋根、葺き替えの時期だからやりたければやってもいいよ」
商売人ならありがとうございます、と言って契約を取りにいくべきだろうが私はその時、ぐるぐると頭の中に色々な思いがよぎった。すぐに返事ができなかった。結果的にはお断りをした。その日の夜なかなか寝付けなかった。仕事は欲しかった。お金が必要だった。頭を下げれば済む話だった。そうはできなかったし、したくなかった。若造でも一国一城の主人。頭を下げて憐れみをうけてまで仕事をしたくなかった。悔しかったのか、苦しかったのかその夜、涙が出てきた。
寝付けぬ夜を過ごした私は翌朝、この思いを忘れぬよう手帳に書いた。
「リスペクトのない仕事など不要。お金が仕事の対価ではない」
仕事の対価は何か?学生の多くは「お金」と答えるだろう。しかしそれは全くもって違うと言っていい。確かに資本主義のこの国ではお金がモノをいう。お金がなくては生活できないし家庭も築けない。お金を得ることは動機にはなる。しかし目的にしてはいけない。
ではお金を得たいならどうすべきか?自分自身の存在価値を上げるような仕事をしなさい。報酬とは仕事の対価ではない。自身の存在価値である。仕事を通じて自分の価値を高めてほしい。
新卒入社の若者に話をしながら自分自身に言い聞かせた時間でした。既存社員もフレッシュな若者を見て自分自身を振り返っていたと思います。今年度もRobinをよろしくお願いします。
株式会社ロビン代表取締役 蜘手健介

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