CEO’s mail:19.11
先日、名古屋と飛騨高山を結ぶ東海北陸自動車道を朝早く車を運転していたら、綺麗な紅葉が目に入ってきました。前後に自動車も走っていなかったので、速度を落として紅葉をゆっくり堪能してきました。
この紅葉が終われば、もうすぐ冬。今年も残り1ヶ月と少しとなりました。日が経つのは早いですね。
Robinの蜘手です。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
さて多くの人を熱狂させたラグビーW杯日本大会が南アフリカの優勝で閉幕しました。
今回はオンタイムで観戦できたこともあり、多くの人がラグビーの魅力を知り、熱狂しました。
私も台風19号の次の日、横浜で開催された日本対スコットランド戦を親父と2人で観戦に行きました。
あらかじめ買っておいた「桜のジャージ」に身を包んだ48歳のおじさんとおじいちゃんでの参戦でしたが、試合は最後までスリリングな展開で会場は熱気の渦。日本が勝ちベスト8進出。親子共々、とても良い夜でした。
ラグビーが日本人ファンの心を掴んだその魅力の1つに「ノーサイド精神」があると思います。
ノーサイドとはラグビー用語で試合終了のこと。試合が終われば自軍と敵軍のサイドはなくなり、勝者サイドも敗者サイドもない(NO)という意味です。しかし調べてみると「ノーサイド」という表現は日本以外では死語になっているようで、世界では試合終了は「フルタイム」と表現するのだとか。日本だけに残っている様ですね。
「昨日の敵は今日の友」という言葉があるように日本人の精神性に合致したのではないかと思います。
しかし最後の最後で「ノーサイド」に酔いしれていた多くの日本人ファンが残念だと思った出来事が起きました。決勝戦後の表彰式。南アフリカに負けたイングランドのロックのイトジェ選手がメダルを首に掛けられるのを拒否したのに続き他のイングランド選手、ヘッドコーチもメダルをすぐに首から外したのです。
ツイッターでは「スポーツマンらしからぬ行動だ」「潔く負けを受け入れていない」とその悪態について批判的な投稿が相次いだと英国メディアも報じていました。
私もテレビで表彰式を見ていましたが、確かに「おやおや」と思いました。ネットで、これに感じる記事や投稿を見てみましたが多くは「あの態度はダメだ」「ラグビーにはノーサイド精神があるのだから」という論調のものでした。
しかし一方で、英紙「デイリーメール」のジェームズ・ハスケル記者は「エリート選手が最後に立ちはだかったハードルを乗り越えるのを失敗したとき、どのような気持ちになるのかを理解できる人はほとんどいない」と選手らのとった行動に理解を示しました。確かに私もラグビーのノーサイド精神はすごいなと思っていた1人なので、表彰式のあの態度には疑問を感じましが、この記者の意見も理解できました。むしろ心に響いたのです。
私はその2つの考え方を自分に置き換えてみました。自分があの立場だったら負けたことを潔く受け入れたかどうか。多分、イングランドの選手と同様、メダルをかけなかったと思います。だって悔しいですよ、きっと。
私が思うに、あのイングランドの選手もできれば潔く負けを認め、受け入れたかったと思います。しかしできなかった。
それを思うとあの選手の態度は、ある意味人間らしいし、優等生ばかりじゃないよなと感じることができ、なんだか安心しました。
また、もしかして私を含め、あの態度を見て批判をした多くの人は
「ラグビーはノーサイド精神じゃなきゃダメだろ」と“あるべき論”を押し付けていやしないか?とも感じました。
他人の振る舞いや行動について文句を言ったり、批判、非難するのは自由です。しかし自分がいざという時にそうできないのに、他人にはそうであるべきだと求めてしまっていることはないか?
また自分が思っている正義を押し付けて、それを守らないことに不満を感じていないかとも振り返りました。
ノーサイド精神はとても崇高で美しく、日本でいう武士道の様な美しさを感じます。しかしだからといって押し付けるものではないとも思いました。他人を非難、批判するのは簡単です。しかし自分がそれをできなければ、敗者の気持ちを汲み、それを理解することもとても大切だと思った今日この頃です。
株式会社ロビン 代表取締役 蜘手健介

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