CEO’s mail:19.07
今年の夏は海の日を前にしても涼しい日が続いています。梅雨もそろそろあける頃。夏が待ち遠しいですね
Robinの蜘手です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
残り物には福がある、といいますね。意味を調べてみると、人が取り残した物の中には、思いがけず良いものがあるとありました。人と競って先を争うのを戒めるときや、順番が最後になった人を慰めるときに使われることがありますね。あまり人と争わず、遠慮深い人にこそ幸運があるということでしょうか。
残り物に福があれば、残っている物にも福があるのでしょうか。経営者の間でよく話題になる物に、企業の生存率というものがあります。私たちがよく耳にするデータは、企業は最初の5年間で80%の企業が廃業し、残った企業のうち80%が次の5年で廃業する。結果的に10年間ではビジネスの4%しか生き残ることができず、96%が廃業、もしくは倒産に追い込まれるというものです。(これも諸説あります)
私も起業する時、「起業をして10年続くのは10%以下だ」と吹き込まれていましたが、弊社は今年で19年目になりました。お陰様で4%に含まれています、笑。もちろん企業の中には子会社やペーパーカンパニーも含まれていると思いますので、実感とは違います。しかしいずれにせよ企業が生き残っているのは大変なことだということに変わりはありません。
企業は様々なサービスや商品がありますし、続くことが全てだとは思いませんが、衣食住を担う弊社にとって、企業経営が永続させる意思を持っているというのは価値があることだと考えています。
そんな思いがあって、私はRobin社のヴィジョンを「1000年企業を創る」に定めています。しかし先述した通り、続けることだけが最大の目的ではなく、社会とお客様に必要とされ続けるという意味を多く含んでいます。
ですから、方針決定をする際も「今だけ、金だけ、自分だけ」とするものを基本的に排除します。
今だけなんとかなればいい。自分だけよければいい。金さえもらえればいい。儲かればいい、、、。そのような方針はどこかで大きなしっぺ返しを食らい長続きはしない、私の哲学の1つです。
残り物には福があるという考え方は、経営者だけではなく組織人である社員についても思うことがあります。
この会社が嫌だから、もっとチャンスがあるから、もっと儲かるからと、弊社をやめて独立をした元社員が何人かいますが、ことごとく失敗し、結局、夜逃げしたという話を聞くことがあります。
大変、残念なのですが先述したように企業経営は最初の10年が非常に難しいということの他ならない証明なのですが、組織人である社員はどうでしょうか。
私は今年48歳になります。友人や同級生の今を見てみると、若い時から1つの会社、もしくは団体を辞めずにいる友人は意外に重責のポジションをもらっている人が多いことに気づきました。逆に、様々な事情から転職をしている人は1つ、2つ、3つと会社を渡り歩いている人が多い気がします。
ではその長く続けている友人と転職を繰り返している人の違いが何かといえば、前者はあまり大きな志や野望を持っている人ではなく、後者は反骨心というか、志があった人だったケースも少なくありません。
キャリアアップを目指し、また現状に不満を持って起業、転職し、良い結果になっているケースはやはり4%以下なのだと思います。ではその4%に入っている人は万事順調なのかといえば、私の場合、これまでは思い通りにいかないことが9割で、思い通りに進んだのはたった1割以下でした。
そう思うと、これまで我慢と辛抱、そして社員は多くの苦労をかけたと(今もですけど、笑)思っています。
経営者がそうなのですから、社員も組織人である以上、思い通りにいかないことの方がはるかに多いのです。
企業とは組織です。経営者と同じヴィジョン共有ができないのであれば早めの転職が必要ですが、愚痴をこぼすのではなく、その思い通りにならないことに向き合い、我慢をしながら今のポジションで何ができるかに向き合うこと、それも組織人としての1つの成功ではないかと思う今日この頃です。
株式会社ロビン 代表取締役 蜘手健介

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