2023年3月 長崎出張と歴史 諫早湾干拓と雲仙・島原
「冬季に寒い日が3日間続くとその後4日間くらいは暖かいこと。また気候がだんだん暖かくなる意にも用いる」これは辞書に掲載されている「三寒四温」の意味です。
3月に入り「寒かったけど、昨日から急に暖かくなったね」という会話が飛び交う季節になってきました。まさに三寒四温だと感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
Robinの蜘手です。先日、所用があり九州の長崎県へ行ってきました。長崎市には親しくさせて頂いている先輩経営者がいることもあり何度か訪れています。今回は移動が多かったためレンタカーを借りて初めて自分で運転したのですが、主要道路から入った道の狭さと坂の多さにはびっくりしました。
初日はとても天候が良かったのですが、周りを見渡しても自転車に乗る人を全く見かけませんでした。やはり坂が多いせいかと調べてみたところ、2018年の自転車産業振興協会の調査では長崎県は1世帯あたりの自転車保有率が全国最下位でした。地元の人に聞くと自転車に乗れない人も多いと思うとのこと。私が小学生の時、学校のグラウンドで自転車の交通ルールや道路での運転について警察から教習?があった記憶がありますが、長崎市ではそれもないようです。所変われば品変わる、と言いますが本当にそうだなと思った次第です。
今回、仕事のスケジュールに1日プラスをして個人的に気になっていた場所へ行きました。
1カ所は諫早湾干拓地、もう1カ所は島原・雲仙です。
偶然ですが、諫早湾干拓に関して最近、最高裁で1つの決着がありました。
それは平成9年に締め切られた諫早湾干拓事業の堤防排水門についてです。約四半世紀に渡り漁業側の「開門しろ」と農業側の「開門するな」との利害が対立してきました。それぞれが提訴した裁判にて「開門命令」と「開門禁止」という相反する確定判決が過去に出されていましたが、今回「開門命令を無効とする決定」がされたというわけです。
この諫早湾干拓関係の訴訟については当時メディアで連日大きく取り上げられていました。1度この目で見ておきたいと車を走らせ、「開門しろ、開門するな」の舞台となった堤防である諫早湾干拓堤防道路を渡ってきました。湾を区切っているため、海の上を走っているという感覚になる堤防道路でした。私にはこの諫早湾干拓の開門の是非は分かりませんが、大きな公共工事だっただろうなということはわかりました。(後で調べたら2460億円)
その諫早市を通り過ぎたところに島原・雲仙があります。雲仙と聞けば「雲仙・普賢岳の噴火」を思い出す人も多いのではないでしょうか。1991年に大きな噴火があり死者・行方不明者43人の被害を起こしています。こちらも当時は連日大きく取り上げられていました。現地ではそれらの資料も多く見ることができますが、死者43名のうちマスコミ関係者が16名もいるとは知りませんでした。被災から30年が経ち現在は静穏な状況が続いているようです。温泉地も賑わっていました。
それから南島原へ訪れました。ここは「キリシタン文化」がある町で教科書に出てきた「隠れキリシタンの弾圧」や「島原・天草一揆」の舞台となった場所です。
若い頃「長崎といえば隠れキリシタン」と思い込んでいた自分が恥ずかしいですが、現地で知る歴史はまた深くそして重みを感じさせるものでした。彼らが命をかけて守りたかった信仰は恵まれ過ぎている現在の私たちには想像もできない環境から生まれたのかもしれません。
さて3月はロビン社の決算月。4月には新入社員が入ってきます。慌ただしく過ぎていく毎日ですがこんな時こそ自分と仕事に向き合おう、と春の訪れと共に心に刻む今日この頃です。
株式会社ロビン 最高経営責任者 蜘手健介

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