2022年9月　人生とは「いま」の連続の積み重ね

　朝夕の風に涼しさを感じられるようになったこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。Robinの蜘手です。弊社では昨年からエアコン工事を受け付けていますが、６月から８月の喧騒のような反響も９月に入ってピタリと止まりました。この事でも季節を感じていますが、もう少し在庫があります。皆様、よろしくお願いします笑。

　先日、京セラ創業者で名誉会長の稲盛和夫氏（９０）が京都の自宅で死去されたというニュースがありました。鹿児島県出身で、アメーバ経営と積極的なM &Ａで京セラを世界的企業へ成長させ、８４年には通信自由化の流れにのって第二電電を設立。通信市場へ参入し現在のKDDIを誕生させました。

後年には「日本をよくするには政権交代が必要」との持論にて民主党を支援し、２０１０年から日本航空（JAL）の会長を務め再建に尽力。また経営塾である「盛和塾」や「稲盛財団」などの活動も精力的に行なっていました。私の知り合いの経営者でも「盛和塾」に縁があった人は少なくありません。

　私も若い時、稲盛氏の著書である「稲盛和夫の実学　経営と会計」をしっかりと読み込んだ時期があります。管理会計だけではなく生き方や経営哲学などの言葉も、自身の経験に裏打ちされた重みがあり大変参考になりましたし「全従業員に物心両面での幸せを」という哲学は今でも私の基盤になっていると感じています。

　「人生とはその“今日１日”の積み重ね、“いま”の連続にほかなりません」（稲盛氏）という言葉は、小さくても地道に積み重ねていくことの重要性を説いています。逆にいえば「ま、いいか」とズルズルしている時間もしっかりと積み重なってしまうということ。私は「自分を変えるのは難しい。でも人生において非常に価値が高い挑戦だ」と社員には常々伝えています。苦しくとも前向きな「いま」であればよい習慣になりますが、後ろ向きで逃げるような「いま」も習慣になってしまいます。「いまの連続」が人生を作る、全くその通りだと思います。

残念ながら御本人と直接会う機会はありませんでしたが、またこれを機会に著書を読み返してみようかなと思います。影響を受けた人間として感謝している次第です。

もう１人、世界的な人物が亡くなりました。旧ソ連最後の最高指導者で初代ソ連大統領となったゴルバチョフ氏です。８月３０日に死亡したとロシアの複数の通信社が伝えました。９１歳でした。

　氏は８６年のチェルノブイリ原発事故以降、ソ連には大幅な改革が必要だと考えました。そしてアフガン戦争から撤退、米国レーガン大統領との首脳会談で核兵器の制限と冷戦の終結に着手。国内では社会主義の理想にこだわりながらも言論、報道の自由を認めるグラスノスチ政策をとり、経済成長のためにペレストロイカ（再構築）政策を実施しました。

　結果的に東西冷戦を終結させ１９８９年にベルリンの壁を崩壊に導き、その後の東西ドイツ統合を実現した最大の立役者で９０年にノーベル平和賞を受賞しています。

　世界的には印象的な活動をした人物でしたが、その後の混乱を招いたということで国内での人気は低迷。１９９１年にはマルクスレーニン主義がクーデターを起こすなど政情が不安定になり同年ソ連が崩壊。１５の連邦構成共和国に分裂しました。（初代ロシア連邦大統領はエリツィン）

　「自分の間違いを認めることは非常に難しい。しかしそれをしなければ先には進めない」これはゴルバチョフ氏の残した言葉です。大事であればあるほど過去を清算することは簡単ではありません。氏の決断は結果的にソ連を崩壊させることになりましたが、この言葉をプーチン氏はどのように聞くのでしょうか。

　稲盛氏の「甘えの積み重ねが今を作っている」という言葉。ゴルバチョフの「過去を認めるのは非常に難しい」という言葉。我が身を振り返ってみると、耳と胸が痛いですが肝に銘じて仕事と人生に向き合いたいと思いました。さてRobin社も秋に向け現場も業務も目一杯！前を向いてしっかりと仕事していきたいと思う今日この頃です。

株式会社ロビン代表取締役　蜘手健介

前回のコラムはコチラから
2022年8月　暑すぎる夏と積み重ねてきたもの

株式会社ロビン代表取締役蜘手健介