2022年7月 安倍元首相の悲報と今できることに思うこと
6月半ばに梅雨入りしたな、と思ったら、あっという間に梅雨明け宣言。
今年は観測史上最速だそうで、地域によれば2週間程度で梅雨が終わったようです。私の大好きな季節が到来しましたが、今年の夏は暑く、そして長くなりそうですね。
皆様、熱中症などには十分、留意してください。最近、疲れが取れにくくなったと感じているRobinの蜘手です。
さて7月8日、安倍元首相が凶弾に倒れたという一報を出張先で知りました。まさか、この日本でこんなことが起きるなんて。本当に驚きました。事件は参議院選挙活動の街頭演説が行なわれていた奈良市で起きました。犯人自作の銃で背後から2発撃たれ、そのうち2発目が致命傷に。心肺停止状態との一報があり、その後、失血死による死亡が確認されました。日本を代表する顔であり、長く政治の中心人物だった安倍元首相の悲報。銃の乱射事件が騒がしい米国、戦争状態のロシアならまだしも、この日本でこんなことが起こるなんて、一体何事か。誰もがそんな思いだったに違いありません。
安倍元首相の功罪はこれから評価されると思いますが、このような行為は許されることではありません。
これに追随する者が出ないことを願うばかりです。しかし動機は何だったのでしょうか。
過去に暗殺された有力政治家を調べてみると1931年、二二六事件にて総理経験者であり現職の大蔵大臣だった高橋是清が暗殺されており、翌1932年には五一五事件にて現職総理大臣の犬養毅が暗殺されています。また、さかのぼること1921年には同じく現職総理大臣の原敬が、1909年には初代総理大臣だった伊藤博文がハルピンで銃殺されています。このように権力者を暗殺する行為は古くから起きていたことがわかりますが、凶行に及んだ犯人側にもそれなりの政治信条や政府への要求がありました。
白昼堂々と行われた凶行にマスコミは「言論封鎖だ」「テロだ」と決めつけて報道をしていましたが、犯行に及んだ男の情報がわかるにつれ、政治信条や要求などの大した背景はなく、いかにも通り魔的で誰でもよかったという犯行に思えます。名指しされた統一教会にも説明責任はあると思いますが、現代日本の歪んだ一面をかいまみたようで後味の悪さを覚えました。
この事件の影響の有無はともかく、2日後の参議院選挙では安倍元首相の目標だった「憲法改正議論」が可能になるほどの自民党圧勝で幕を閉じたのは皮肉な結果でしたね。
さて、私はこの時、少し前に読んでいた仏教系の本にあった言葉を思いました。
「大命まさに終わらんとして悔懼(けく)こもごも至る」
元気な時は「自分の死」を客観的にみることができるが、いざ自分が死ぬと自覚をしたとき、心には後悔と恐れが代わる代わる起きてくるという意味だそうです。過去に対する後悔というのは「人生の目的への後悔」だと解釈されています。過去の人生、何にもならないものばかりを求めてきたという後悔。なぜ、もっとこうしなかったのだろうかという後悔。いつかは死ぬとわかっていたのに、あっという間に人生が終わってしまい、取り返しのつかない後悔をするということです。
若い時には「やった後悔より、やらなかった後悔をしたくない」と思っていました。後悔をしないで人生を終えるのは容易ではないとお釈迦様は説いているのでしょうか。
しかし臨終の悔懼(けく)を心配して生きるにはまだ早い、そんな思いもあります。寿命で人生を終えることができれば最高ですが、事故や事件は日常と隣合わせであり、いつその当事者になるかはわかりません。
麻生太郎氏は「生きる上で大切なことは何か?」と聞かれこのように答えています。
「朝、希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠る」
いつ何があってもおかしくない現代。え、まさか、嘘だよね?というのが人生。
もしかして今日が最後になるかもしれません。どんなに嫌なことがあっても、大切な人に笑顔で「今日も行ってきます」と言えてるかな、と振り返る今日この頃です。
株式会社ロビン代表取締役 蜘手健介
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