仕事の楽しみ

327 仕事の楽しみ

 ここ数ヶ月、採用活動の一環で学生と面接する機会が多くあり「仕事とは何か?」ということに向き合う時間が増えている。また毎年のことだが、弊社既存社員も4月に新卒学生やキャリア社員を受け入れたことで、教育する立場に立地、改めて自分自身が持つ「仕事観」について向き合っていると思う。
「人は人によって磨かれる」を感じている今日この頃。

 先日、面接の際に学生に「仕事の楽しみとは、どのようなことですか?」と聞かれた。
「好きこそモノの上手なれ」という言葉がある。好きなことについては熱心に努力するので上達が早いという意味だ。しかし好きでもなかなか上達しないこともあるし、好きじゃないことでも簡単に上手くいくこともある。好きだと思って本格的に初めてみたが、実はそれほど好きではなかった、また時を経てむしろ嫌いになってしまったということもある。

 「何か好きなことを見つけろ」と大人に言われ育った方も多いと思う。実際に世の中には趣味が高じて仕事につながっている人も多くいるし、好きなことが仕事になり、生活を支えるというのは素晴らしい人生だと思う。私も子供の頃「好きなことが仕事になればいいな」と思っていた。しかしそうはいかないのもまた人生。

 歳を重ねて社会的責任が大きくなると、趣味は趣味、仕事と切り分けて楽しむという人も少なくない。私はカメラも好きだ。だからといって撮影したものを評価されようとは思わないし、スキューバダイビングが好きでも島に住み着いてインストラクターをしようとは思わない。

  私はここ数年、ゴルフを一生懸命やっている。もともと負けず嫌いの体育会系。競技ゴルフが面白い。草大会やクラブコンペ、大きなアマチュア大会などにも参加をしたが、やはりプロ崩れや学生ゴルフ出身者との差がありすぎたことを痛感した。今は自らの基礎レベルをあげようと努力をしているが、何しろ練習時間が圧倒的に少ない。だからこそ一生懸命にやれるのかもしれないと思う。これが職業だとしたら、身も心も持たないだろうな、と思うし、責任がないから強くなれないのかもしれないとも思う。結局趣味は責任がないから楽しいのである。 

趣味と仕事の大きな境界とは何か?仕事には必ず相手が存在することだ。お客様やクライアントが必ず存在し、そこに価値が評価され、経済的取引が生まれる。いくら自分が良いと思った成果物であって、そこに相手の理解と共感があったとしても経済的価値がなければ、仕事としては成り立たない。

 仕事の楽しみとは、私は好きなことを仕事にすることだけではない。やってみたら、実は“これって楽しいじゃん”ということがある。学生にはまだわからないと思うが、仕事ができる大人は緊張感のある毎日の現場にてより楽しめる方法を持っているものだ。
 私は、なぜそうなっているのか?これからどうなっていくのか?と考えたりすることが好きだということを最近、気がついた。「言った通りになったでしょ」と、自分の予測が当たるとより楽しくなる。 「人に教えること」や「指導すること」も好きであり楽しい。この好きなことを生かしているのが、私の場合、社員教育や社内研修、経営者向きの研究会や研修だからそれは全く苦にならない。
 
 若い時に誰もが考えるように、好きなことや得意なことが仕事になるのは素晴らしい。しかし実際に仕事として成果が出るとは限らないし、いざやってみたら好きではなかったということもある。それなら早くから責任を与えてもらう職場を選び、周りの重圧や期待の中で成果を出し、自分がまだ気づいていない好きなことや得意なことを見つけるのもまた仕事の楽しみだし、醍醐味だと思う。
 
 好きだからこそ上達するからといって、上達したからといって飯が食えるかどうかは全く別の話。何が好きで、何に向いていて、何が得意なのかなどは、若いうちに決めてしまわない方がいいし、あえてわかろうともしないほうがいい。

 仕事という責任を持ち、どこかで割り切りながらそれに向き合っていくことで、自分の知らなかった楽しみや好きなこと、得意なことに気づくのもまた、仕事の楽しみの1つだと思う。