セルロースファイバーによる自然素材住宅 一級建築士事務所ロビン 愛知県(名古屋市)岐阜県(高山市)
 
2010年 08月 19日

値決めの難しさ

 残暑お見舞い申し上げます。
しかし今年は本当に暑いですね。夏好きの私としては嬉しい限りですが、、、。

Robin
の蜘手です。

商売をしていて難しいと感じることの1つが値決めです。先日、ファンダイビングをした際も思いました。ボート3DIVでどのショップさんでも18000~20000円(昼食込み)くらいになります。最後の精算の際、(ガイドして2万円か、、、)と思うのですが、これは高いでしょうか、安いでしょうか。

例えば5名をガイドすれば10万円の収入。それに講習やレンタル代が含まれると増収になります。2名のガイドが必要ですから10万円以上の収入を2人で稼ぐことになります。(なかなかいい商売かも)と思うと2万円って安くないよな、と感じます。(ケチなんでしょうね、私)

しかし払う側として高いと感じることも、提供者の側にたってみるとまったく違う側面が見えます。

例えば天候による減少もあるでしょうし、季節的に閑散期の時もあるでしょう。自分の調子が悪い時や風邪をひいたときは大変です。営業定休である平日に行くことが多い私たちはたいてい少人数になります。私たち2人にガイドさんが2名ということもあります。ボートの経費も必要でしょうし、ダイビングの場合、広い休憩所も必要になります。レンタル品はいつも清潔にまたメンテも必要になります。「千客万来」という言葉があるように毎日、たくさんの人が訪れればいいですがそうはいかない日も多くあると思います。

また技術を学ぶためにたくさんの授業料もきっと払っていると思います。そうすると1日付き合って2万円は決して良い金額ではないかもしれない、と思いました。
ではもっと値上げできたら、、、と思いますが何事も「相場」があります。「収入-支出=長続きさせること」であれば相場の金額で食っていけるだけではなく、品質を向上するコストもその中でねん出しなくてはいけません。

以前、スキー場はハンパなく儲かったという話を聞いたことがあります。年間で正味4カ月ほどの稼働で1年分の維持費を稼ぎ、さらに競争力に勝つための設備投資をしてもまだ余ったということでした。さすがに今はそうでもないようですが、だからといって値を上げることは難しいでしょう。逆にいえば、厳しい経営環境になれば「値下げをして客を呼ぶ」という方法を取る場合も多くあります。仕入れ値改善などコストダウンの根拠があればそれでも維持は可能ですが単なる相場に勝つための値下げは苦しい展開になるでしょう。

そう考えると値決めには大きく2つの根拠があるように思います。1つは相場から価格を決める方法、もう1つは原価に利益を積み上げる方法です。

例えば自動販売機の缶ジュースはたいていの場合(最近は違うことも多いが)120円で販売されています。これは1本売れようが、1万本売れようが同じ価格で売られています。損益分岐本数がありそれを超えれば黒字、超えなければ赤字ということになります。コストダウンがあまり我々の取得価格に反映されにくいケースの値決めの例になります。整体やマッサージもどこもたいてい同じような価格です。1時間6000円のプラスマイナス数%ではないでしょうか。

この場合、利益をだすためには「損益分岐量」が必要になります。

もう1つの原価に積み上げる方法が今の住宅産業(ハウスメーカーは違うかも)やリフォーム業界でしょうか。リフォームの場合は多くの場合、会社は原価に必要経費を積み上げて値決めをしているでしょう。例えば原価100円のものに利益10円を足して110円で売っているわけではなく、利益率計算をしますの で、100円に10%なら110円、20%なら120円といった具合に値が上がります。(簡易な計算の場合です)営業社員は原価を把握する必要があります。そのスキルがないと品質管理の1つである予算管理ができません。また利点としては量が少なければ設定金額を上げることも可能です。

ただ難しい問題として、定率算出で値決めをするということは原価が下がれば下がるほど利益率は同じでも利益額は減少します。原価が安くなることが利益に転じるとどの経営者も考えますが、実は売価も必然的に下がること可能性もあるのです。この理屈が抜けていると「コストダウンすることで経営が苦しくなる」という意味の本質がわからなくなます。「うちの原価はどこよりも安いはずなのになぜ利益が出ないのだ」

多くの人は原価が下がった分、受注金額が変わらなければ利益が増えるはず、、、と考えますが営業現場を知っている人はそんなに簡単ではないことは十分理解しています。競争社会である故、価格も下げる傾向にあります。ここに値決めというのが個人レベルではなく会社全体で決めていかなくてはいけないと思う理由があります。

先日、ある方が「あのゴルフの先生、良いわー。すごくスイングが変わったし飛距離も伸びた」と言っていました。あれなら通う価値があると。
そして「また暇そうだし(客に困っていそうだし)、すごく金額も安くしてもらったからいい気分だ」とも言っていました。聞いた金額はレッスン相場の半値くらい、、、。

「そりゃ安いね」と言っておきましたが、最近になってその方から聞いたところ、「その先生がレッスンをやめた」ということになった、と聞きました。
もちろん価格だけが原因だとは思いませんし、その人の商売努力も不足していたかもしれませんが一番困ったのはその人、だってレッスンが受けられないと言っていましたから。また逆戻りだと、、、。

余談が多くなってしまいました。

先のダイビングショップの場合、私がこれだといいな、という金額で参加することが可能になってもそのショップがなくなってしまえば元も子もありません。相場金額で結構ですから、量が少なくてもよい経営をして頂き、いつも気軽に参加できる環境を作ってほしいと思いました。経営が破たんして困るのは私たちユーザーなのですから。
そう思えば、費用というのは維持するために必要な金額であり決して時間いくらという簡単なものではないのでしょう。もちろんあまり高くても行きませんけどね(やっぱりか、、)

安ければ嬉しい時代ですが、持続できないくらい安いのは結局、自分たちが困るだけなのかもしれません。

しかし難しいですね、値決めって。本当にそう感じます。


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